シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説 (ヴィレッジブックス)



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シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説 (ヴィレッジブックス)
シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説 (ヴィレッジブックス)

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映画と比較して

映画「シービスケット」を観て、とても感動したので、原作である本書を読んでみた。アメリカが大恐慌に苦しんでいた1930年代、一世を風靡した競走馬シービスケットの実話である。

私には映画の方がおもしろかった。確かに、映画では駆け足でよくわからなかったところが、本を読んではっきりわかったのは事実である。だが映画には、わからなくてもぐいぐいと惹き付けられる、強烈なパワーとスピードがあった。また映画では、『ちょっとのケガで、命あるものを殺す事はない』、転じて、失敗しても人生終わりじゃない…というメッセージがストレートに打ち出されていて、素直に感動できた。本ではこのような事は感じられなかった。

また、馬主ハワード、調教師スミス、騎手ポラードの際立った個性や、3人の触れ合いの温かさは、俳優の熱演もあって、映画の方がより鮮烈に感じられた。だが、馬には演技ができないためか、映画ではシービスケットの個性はあまり感じられなかった。シービスケットの卓越した才能と非常にユニークな個性、そしてその才能と個性をスミスとポラードがどのように生かし、伸ばしていったか…そのあたりは本の方がずっと生き生きと描かれていた。

また本を読んで、ライバルのウォーアドミラル陣営は、映画で描かれたような汚い行為は全くしなかった事がわかった。映画の脚色上の都合で泥を塗られた、ウォーアドミラル関係者が気の毒になった。

以上、本には”参考文献”的なおもしろさはあったが、映画のような手放しの感動は感じられなかった。だが、映画は波瀾万丈で劇的な展開を全く知らずに観たのに対し、本は知ってから読んだという事情もある。本が先だったなら、感想はまた違ったかもしれない。

アメリカの伝説の名馬

ノンフィクションノベルなのですが、内容は、もう、小説以上のおもしろさです。 
淡々と主人公や馬や、レース状況などを述べているのですが、それがまた、見事なのです。 もう、読むと、ドキドキ感がいっぱいで、クライマックスでは感涙モノです。 
競馬好きな人も、競馬に興味の無い人でも、この本は、十分に満足のできる作品です。 一度読んで欲しいとおもいます。 ただ、一部の競馬用語に誤訳がありますが、英語の競馬用語を知っているマニア以外にはわからないでしょうねえ。
映画を超えた実話

文庫出版を待って購入しました。

この本を読んで、実話は映画を遥かに超えた素晴らしい物語だったんだと知りました。それだけでも、この本を読んだ甲斐があります。

とにかく、2人の騎手と1頭の馬の数多の困難を乗り越える不屈の闘志に、鳥肌がたつほど感動します。

1冊の本に何度も大きな山場が盛り込まれ、サンタアニタハンデ、有名馬とのマッチレースなど、この長さで飽きることはありません。

他のレビュアーが書かれている前半の冗長さですが、冗長とは感じませんでした。いかな不遇の時代がそれぞれにあったか、その部分があるからこそ、彼らのその後が光ります。

それぞれの人や馬に対して客観的な視点がしっかりしているので、写実的な描写がかえって当時の様子が生き生きと伝わってきます。
映画はアメリカで1度、日本3度見ました。

しかしこの本を読んで、本当のシービスケットがどうしても見たくて、当時のレースのフィルムを見ました。

この馬の速さ、強さは、映画でも本でも描ききれてはいないことを知って、さらに驚きました。




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